独学レザークラフト

製作工程、過去の作品、おすすめの道具等を紹介します。

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ハーフウォレット(ダークブラウン)

      2021/02/06

今回製作するのは、ハーフウォレット(ダークブラウン)です。某有名メーカーの二つ折り財布が有名で購入してしまえば早いのですが、そこはレザークラフター!!自分で作ってしまいましょうということで、某有名メーカーのそれをイメージして作っていきます。

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型取り~切り出し~裏処理

まずは、外側の革をハーフウォレットの形にカットします。今回はダークブラウンのワーフウォレットを作るので、ダークブラウンの革を切り出しました。ベロの部分には最終的に自分で作ったコンチョを取り付けます。某有名メーカーのウォレットをイメージしているため小さめのバッファローコンチョを付けるためのベロのサイズにしてあります。ちなみに普段はなるべくケネディ・ハーフダラー(50セント)のコンチョを使っています。それも1964年のハーフダラーがお勧めです。この1964年のハーフダラーは銀の含有量が90%もあり、そのため使っているうちに銀の渋い光沢が楽しめます。
小ネタとして、1965年から1970年までは銀を40%含んでいます。こちら、多少の銀の渋い光沢は味わえますが90%のそれとは明らかに違いがあります。1971年以降のハーフダラーは銅とニッケルの合金となってしまうため銀のあの渋い光沢はありません。しかし、自分の誕生日が1970年ということもあり、1970年の40%銀含有のものもコンチョを作って持っています。話が横にそれましたが、続きの作業を・・・外側の革以外のウォレット内部の部品についても切り出しを行いました。こちらはナチュラルカラーのサドルレザーを使用しました。切り出した革の裏処理を実施して、乾燥しています。

穴あけ~各部品の準備

まずは、外側の革のコバ落としから始めます。コバ処理が終わったら、ネジ捻で縫い線を引いてそこに縫い穴をあけていきます。直線部分は4本菱目で縫い穴をあけていきますが、カーブの部分については4本菱目で間隔のマークを付けてから1本菱目で穴をあけていくようにしています。この穴あけ作業で完成時の縫い目の良し悪しが決まると考えていますので、作業は慎重に行っています。それでは、カード入れ部分を作っていきます。穴あけをしたカード入れの内側に入る部品です。カード入れの背になる革と上の写真の革を縫いつけますが、この時はまだ下の部分のみを縫います。次にカード入れの一番外にくる革を貼りつけて縫い穴をあけます。ここまでくると、ほぼカード入れに見えます。自分が使うようの財布なので丁寧に作っています。カード入れ部分の形も取り出しやすさとかを考えて、この形になっています。ここまでカード入れ部分を作ってしまえば、あとは他の部品すべてに縫い穴をあけて、全ての部品を順序良く組み合わせていけば財布の内部が出来上がります。

カード入れの作成

ウォレットの内部のうち、まずはカード入れ部分を完成させます。カード入れの一番後ろになる革と最終的に外側の革に取り付けるためのカード入れベースの連結をします。ここに、作っておいたカード入れ本体を縫い付けます。貼りつけたら、カード入れ本体にあけてある縫い穴に合わせて穴をあけるのですが、普段使っているゴム板では大きすぎ、こういった部分には使えないので、作業用に薄めのゴム板を使っています。カード入れ部分に穴あけができたら、縫ってしまえば、カード入れ部分の形が出来上がりました。ウォレット内部に入ってしまうため、この段階でカード入れのコバ処理をしてしまいました。これで、カード入れ部分が完成です。本当に丁寧に作っています。ここまで気を使って穴あけをして作ったのはこのウォレットが初めてです。目標となるウォレットがあるためか、無意識のうちに丁寧になっているのかもしれません。

小銭入れの作成

次に、ウォレット内部の重要な部分の小銭入れ部分を作ります。まずは、片側にファスナーの布部分を両面テープで貼り付けて、その部分を縫い付けます。革にあいている縫い穴は小銭入れベースに縫い付けるための縫い穴です。その後、もう片側の小銭入れの革とファスナーを同じように縫い付けると小銭入れの部品が完成します。ファスナーを閉めてみて、小銭入れとして大丈夫そうなことを確認しました。次に小銭入れを小銭入れのベースとなる革(札入れ部)と結合します。その後、ファスナーと閉じて、小銭入の端の部分を縫って、小銭入れの形が完成します。小銭入れ部分にある白っぽい部分は革のキズです。革に最初からあったものですがどうしても隠すことができずに、レザークラフトの醍醐味ということでそのまま使っています。小銭入れ部分についてもこの段階でコバ処理をします。これで、すべての部品が出来上がりました。

内装と外装の縫い合わせ

全ての部品が出来上がっているので、全ての部品と外側の革をそれぞれの場所に配置して、ボンドで仮留めします。完全にウォレットになってきました。各部品をコツコツ作って、配置にした時にイメージしていたものになっていた時は本当に嬉しいものです。外側の革には、予めジャンパーホックのオスを取り付けてあります。仮留めした内装に外側の革にあけてある縫い穴を写していきます。小銭入れやカードケース部分に穴があいてしまわないように、薄いゴム板を挿みながら
細心の注意をはらいながら作業を進めます。穴を写した状態も紹介します。穴をすべて写してしまえば、あとは外周を1周縫うだけです。1周縫うにはかなり長い糸での作業となるため縫い始めは、糸を締めるのが大変ですが、途中で糸を継ぐのは好きではないので、集中して縫っていきます。だいたい1時間くらいかけて外周が縫い終わりました。内装側から見たところです。外側から縫い上がりをみたところです。

コバ処理~仕上げ

ほとんど完成していますが、ここからの作業が地味で大変な作業です。でも、この作業をしっかりすることで出来上がったものへの愛着が強くなる気がしますのでしっかりとやっていきましょう・・・まずはヤスリを使ってコバを綺麗に整えていきます。ヤスリで整えたコバの状態がこんな感じです。これを磨いていきますが、ウォレットは曲線部分が多いため得意のヘチマを使用して、コバ磨きをします。ヘチマを使ったコバ磨きについては後日、記事をアップしますが、本当にヘチマはコバ磨きに適していると思います。コバにトコノールを縫って、ヘチマでしっかりと磨いていきます。ヘチマだと曲線部のコバ磨きが本当に簡単にできます。コバを一通り磨き終われば、全ての作成工程は終りです。作成工程が終われば、あとは仕上げとなります。仕上げといっても、僕は汚れを落として、レザーコートを塗るだけです。僕は、乾燥すると渋い感じに仕上がるのでマットタイプのレザーコートを好んで使っています。レザーコートが乾燥するのを待って、自分で作った証の焼き印を押印します。このオリジナル焼き印についてはこちらで紹介しています。最後にコンチョを取り付けます。コンチョと一緒にジャンパーホックの雌をつけます。今回のインディアンコンチョはインディアンコンチョの中でも、ハイクラスと言われている年号が判別できるコインを使っています。コンチョも自分で叩いて製作したものです。コンチョを作るのが大変なのでまとめて作ってあります。コンチョの作り方についてはこちらで紹介しています。これで、ハーフウォレット(ダークブラウン)が完成しました。どうでしょう?某有名メーカーのウォレットっぽく仕上がったのではないでしょうか?自分としては大満足の仕上がりです。ハーフウォレットはフルサイズに比べて部品数も少なく作りやすいウォレットだと思います。自分なりにアレンジを加えて、自分だけのウォレット作成にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

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